「三軒茶屋って飲み屋も多いし、ちょっと怖い。治安が心配」なんて声をたまに聞きます。
たしかに、首都高速道路が通っている関係で、国道246号線沿いでは太陽の光が降りてこなくて、ちょっと暗〜いイメージ。それに、飲み屋を中心とした飲食店が多いの事実です。
しかし治安自体はそこまで悪くはありません!特別に「治安が良い」ともいえませんが、危なっかしい街ではない!というのが、30年以上住んでいる私の感想です。
そこで今回は、実際の犯罪数をみながら、三軒茶屋の治安や街の雰囲気についてお話しようと思います。
この記事のもくじ
三軒茶屋の犯罪件数
警視庁では、女性や子供に対する声掛け事案や身近な犯罪を地図上にまとめた「犯罪情報マップ」を公開しており、このデータを見ればその地域の治安を少し読み取ることができます。
三軒茶屋駅周辺の犯罪数
たとえば、直近1ヶ月のうちに三軒茶屋で起きた犯罪をまとめたマップが以下の通りです。緑→黄色→赤と、色が暖色系に近づくほど、犯罪件数が多いことを示します。
これを見ると、三軒茶屋駅周辺では2〜5件/月ほどの犯罪が起こっているようで、駅から少し離れると犯罪数が0の場所も目立ってきます。
比較対象として、町田駅周辺の犯罪数マップも載せておきます。場所によって犯罪数がオレンジのエリアもありますね。
三軒茶屋駅周辺の女性・子供への声掛け事案数
女性や子供が声を掛けられる事案の数をまとめたのが以下のマップ。色のついた丸は2019年に発生したもので、グレーの三角は去年のものです。
今年に入ってからおおよそ10件弱の声掛け事案が発生していることになります。
過去の事案の発生場所と見比べてみると、三軒茶屋駅の中心より、すこし西側にある住宅街のあたりで発生することが多いようです。
30年以上住んでいる地元民の所感
私は生まれも育ちも三軒茶屋で、転勤で大阪に配属されていた3年間を除けば、三軒茶屋を出たことがありません。
そんな経緯をもつ私から見た三軒茶屋の治安は、正直に言うと「悪くもないけど、特別良いってわけでもない」という街にみえます。
飲み屋街と人の往来
駅周辺は絶えず人の往来が多く、夜遅くまで営業している飲み屋が多いこともあって、23時を超えてもそこそこに人が多い。そういう賑やかなところは、安心材料のひとつといえます。
いっぽうで「三角地帯エリア」なんて呼び名が定着するぐらいには有名で、三軒茶屋の外からの訪れる人も多数。しかもお酒を飲んでいる人も散見されますので、そういった類のトラブルは、飲み屋街では起こりやすいのかもしれません。
ただし三軒茶屋の駅前には交番があり、徒歩10分以内のところには「世田谷警察署」という大きな警察署があります。トラブルに巻き込まれたときの駆け込み場所には困りません。
一本道を外れると人通りが少ない住宅街
三軒茶屋という街は、繁華街でもなく、観光地でもなく、非常に庶民的で生活感の溢れる街です。
「オシャレなカフェ」「美味しい飲み屋」なんてイメージがあったりしますが、蓋を開けてみれば生活感が漂う古臭い街です。
なので、大通りを一本横に逸れたり、駅から5分程度も歩けば、そこには住宅が立ち並びます。
しかも裏路地や小道も多いため、人目につかない場所を見つけるのはそんなに難しいことではないように思います。
そういう場所では声掛け事案のような犯罪が起こる可能性も考えられるので、手放しに「安全な街です!」とは言い切れないのです。
良くも悪くも下町っぽい
上述した通り、三軒茶屋って街は生活感の溢れる庶民的な場所。昔ながらの古びたお店や商店街があり、街のいたるところでは時代に取り残されたようなものが多く見つかるところです。
下町の空気感がただよう街。なので私は三軒茶屋に「クリーンで安全」ってイメージをもっていません。もっと雑多で粗雑な街です。
なので治安が絶対的に良いってわけではありませんが、そんななかでも意外と「あっ。実は危なくないかも?」と懐を許せるような感じがします。「住むのには丁度いい生活感」です。
でも、古い街なのに、そのくせ流行りものには弱いものだから、タピオカ専門店がいくつも並んでしまう。その結果レトロとトレンドが混在しまうような、なんとも不思議空間でもありますよ。それがまたひとつの魅力なんですが。